法定更新とは?普通借地・借家の更新拒絶・正当事由をわかりやすく解説【宅建】
(ほうていこうしん)
法定更新とは、借地借家法において賃貸借契約の期間が満了しても一定の条件下で契約が自動的に更新される制度のことです。宅建試験では「普通借地権・普通借家の法定更新の要件」「更新拒絶に必要な正当事由」「更新後の存続期間」が頻出です。
この記事の信頼性について
| 執筆者 | 宅建マスター編集部 |
|---|---|
| 更新日 | 2026年5月19日 |
| 主な参照元 | 不動産適正取引推進機構(RETIO)、国土交通省 |
試験の日程・合格基準・法令改正は必ず公式情報でご確認ください。
法定更新とは
法定更新とは、借地借家法において賃貸借の期間満了後も、一定の条件が満たされると自動的に契約が更新される制度のことです(借地借家法第5条・第26条)。
合意更新との違い:合意更新は当事者間の合意によって更新する場合です。法定更新は当事者の合意がなくても法律の規定によって自動的に更新される点が異なります。
普通借地権・普通借家の法定更新の比較
| 項目 | 普通借地権の法定更新 | 普通借家の法定更新 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 借地借家法第5条 | 借地借家法第26条 |
| 更新の条件 | 借地権者が土地の使用継続を申し出・地上に建物が存在 | 賃借人が使用継続・賃貸人が遅滞なく異議を述べない |
| 更新拒絶の要件 | 正当事由が必要 | 正当事由が必要+期間満了の1年前〜6か月前に通知 |
| 更新後の期間 | 1回目:20年・2回目以降:10年(最低) | 定めなし(期間の定めのない契約として継続) |
| 定期借地・定期借家 | 更新なし(別途手続きが必要) | 更新なし(書面+説明文書交付が必要) |
根拠:借地借家法第5条・第26条
正当事由とは
正当事由とは、賃貸人が更新を拒絶するために必要な客観的・合理的な理由のことで、賃貸人側の使用の必要性・賃借人の不信行為・立退料の提供等を総合考慮して判断します(借地借家法第6条・第28条)。
正当事由として考慮される主な事情:
①賃貸人・借地権設定者が土地・建物の使用を必要とする事情
②賃借人・借地権者が土地・建物の使用を必要とする事情(比較考量)
③借地・借家に関する従前の経緯
④土地・建物の利用状況
⑤立退料の提供(財産上の給付)
重要:立退料の提供があれば正当事由が補完されることがあります。ただし立退料さえ払えば必ず正当事由が認められるわけではありません。
試験ポイント
- 1普通借地・普通借家の更新拒絶には正当事由が必要。「期間満了で当然に終了する」は誤りです(定期借地・定期借家は除く)。
- 2普通借家の更新拒絶は「1年前〜6か月前」の通知が必要。この期間を外れると通知の効力が生じません(借地借家法第26条)。
- 3更新後の普通借地権の期間は「1回目20年・2回目以降10年」。「毎回30年」は誤りです(借地借家法第5条)。
- 4定期借地・定期借家には法定更新がない。「定期でも自動更新される」は誤りです。
練習問題
普通借家契約の法定更新に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- ア.賃貸人は正当事由がなくても期間満了で契約を終了できる
- イ.賃貸人が更新を拒絶するには正当事由が必要で、期間満了の1年前〜6か月前に通知しなければならない
- ウ.法定更新後の契約期間は元の契約期間と同じになる
- エ.立退料を提供すれば正当事由なしに更新を拒絶できる
普通借家の更新拒絶には正当事由が必要で、かつ期間満了の1年前〜6か月前に通知しなければなりません(借地借家法第26条)。ウは誤り(法定更新後は期間の定めのない契約になります)。エは誤り(立退料は正当事由の補完要素であり、必ずしも正当事由を充足するとは限りません)。
この用語が出る問題を解く
用語を理解したら実際の問題で定着を確認しましょう。権利関係の過去問・オリジナル問題を解説付きで演習できます。
権利関係の問題を解く(無料)よくある質問
Q法定更新とは何ですか?
借地借家法において期間満了後も自動的に契約が更新される制度です(借地借家法第5条・第26条)。
Q更新を拒絶するには何が必要ですか?
正当事由が必要です。普通借家では正当事由に加えて期間満了の1年前〜6か月前の通知も必要です(借地借家法第28条)。
Q法定更新後の借地権の期間は何年ですか?
1回目の更新後は20年以上、2回目以降は10年以上です(借地借家法第5条)。