相続放棄とは?手続き・3か月の期間・効果をわかりやすく解説【宅建】
(そうぞくほうき)
相続放棄とは、相続人が家庭裁判所に申述することで相続によって生じる一切の権利・義務の承継を拒否する制度のことです。相続開始を知った時から3か月以内の申述が必要です。宅建試験では「熟慮期間3か月」「単純承認・限定承認との比較」「放棄後の代襲相続の可否」が頻出です。
この記事の信頼性について
| 執筆者 | 宅建マスター編集部 |
|---|---|
| 更新日 | 2026年5月19日 |
| 主な参照元 | 不動産適正取引推進機構(RETIO)、国土交通省 |
試験の日程・合格基準・法令改正は必ず公式情報でご確認ください。
相続放棄とは
相続放棄とは、相続人が家庭裁判所に申述することにより、相続によって生じる一切の権利・義務の承継を拒否することをいいます。相続放棄をした者は、初めから相続人でなかったものとみなされます(民法第939条)。
重要:相続放棄は、相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民法第915条)。この3か月の期間を「熟慮期間」といいます。
単純承認・限定承認・相続放棄の比較
| 種類 | 内容 | 要件 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 単純承認(民法第920条) | プラス・マイナスすべてを引き継ぐ | 熟慮期間内に何もしない場合は自動的に単純承認(法定単純承認) | 相続財産・債務をすべて承継 |
| 限定承認(民法第922条) | 相続した財産の範囲内でのみ債務を弁済する | 相続人全員の合意が必要・3か月以内に家庭裁判所へ申述 | 財産の範囲内で弁済・超過債務は免除 |
| 相続放棄(民法第938条) | 相続人としての地位を放棄する | 単独で可・3か月以内に家庭裁判所へ申述 | 初めから相続人でなかったものとみなされる |
根拠:民法第915条・第920条・第922条・第938条
相続放棄の効果と注意点
相続放棄をすると、その者は初めから相続人でなかったものとみなされます(民法第939条)。
放棄した者の子は代襲相続できません。代襲相続は「相続人が死亡・欠格・廃除」の場合のみです(民法第887条)。
相続放棄の結果、次順位の相続人が新たな相続人になる場合があります(例:子全員が放棄すると直系尊属が相続人になる)。
相続放棄は一度申述すると撤回できません(民法第919条)。
被相続人に多額の借金がある場合、3か月の熟慮期間を過ぎると法定単純承認となり放棄できなくなります。
実務のポイント:プラスの財産だけ取得してマイナス(債務)だけ放棄することはできません。相続するか放棄するか(または限定承認)を一括で選択します。
試験ポイント
- 1熟慮期間は「相続開始を知った時から3か月」。「相続開始から3か月」ではなく知った時からが起算点です(民法第915条)。
- 2放棄した者の子は代襲相続できない。代襲相続は死亡・欠格・廃除の場合のみです(民法第887条)。
- 3限定承認は相続人全員の合意が必要。相続放棄は単独でできます。この違いが頻出です(民法第923条)。
- 4相続放棄は一度申述すると撤回不可。「3か月以内なら撤回できる」は誤りです(民法第919条)。
練習問題
相続放棄に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- ア.相続放棄は相続開始から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければならない
- イ.相続放棄をした者の子は代襲相続することができる
- ウ.相続放棄をした者は初めから相続人でなかったものとみなされる
- エ.相続放棄は申述後3か月以内であれば撤回できる
相続放棄をした者は初めから相続人でなかったものとみなされます(民法第939条)。アは誤り(起算点は相続開始を知った時から3か月・民法第915条)。イは誤り(放棄した者の子は代襲相続できません・民法第887条)。エは誤り(相続放棄は撤回不可です・民法第919条)。
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権利関係の問題を解く(無料)よくある質問
Q相続放棄の期間はどのくらいですか?
相続開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません(民法第915条)。
Q放棄した者の子は代襲相続できますか?
できません。代襲相続は死亡・欠格・廃除の場合のみで、放棄では代襲相続が発生しません(民法第887条)。
Q限定承認と相続放棄の違いは何ですか?
限定承認は相続人全員の合意が必要で財産範囲内で弁済します。相続放棄は単独でできます(民法第923条・第938条)。