権利関係

賃料増減額請求とは?借地・借家の賃料改定をわかりやすく解説【宅建】

(ちんりょうぞうげんがくせいきゅう)

賃料増減額請求とは、経済事情の変動・租税公課の増減等を理由として、賃貸人または賃借人が賃料の増額または減額を請求できる制度のことです。宅建試験では「増額禁止特約の有効性」「減額禁止特約の有効性」「請求後の取り扱い」が出題されます。

この記事の信頼性について

執筆者宅建マスター編集部
更新日2026年5月19日
主な参照元不動産適正取引推進機構(RETIO)国土交通省

試験の日程・合格基準・法令改正は必ず公式情報でご確認ください。

賃料増減額請求とは

賃料増減額請求とは、土地・建物の賃料が経済事情の変動・近隣の賃料水準・租税公課の増減等の事情に照らして不相当になった場合に、当事者が将来に向かって賃料の増額または減額を請求できる権利のことです(借地借家法第11条・第32条)。

賃料増減額請求の特約との関係

特約の種類借地借家
増額禁止特約有効(一定期間の増額しない旨の特約は可)有効(増額しない特約は有効)
減額禁止特約無効(借地権者を保護するため)有効(ただし定期建物賃貸借に限る)

根拠:借地借家法第11条・第32条

最重要の違い:借家の減額禁止特約は原則有効ですが、借地の減額禁止特約は無効です。この非対称性が試験頻出ポイントです。

請求後の取り扱い

増額請求:賃借人は増額について協議が調うまで従前の賃料を支払えば足ります。ただし裁判確定後に増額が認められた場合は不足額に年10%の利息を加えて支払わなければなりません(借地借家法第11条第2項・第32条第2項)。

減額請求:賃貸人は減額について協議が調うまで相当と認める額の賃料を請求できます。ただし裁判確定後に減額が認められた場合は受け取った過払い分に年10%の利息を加えて返還しなければなりません(借地借家法第11条第3項・第32条第3項)。

試験ポイント

  • 1借家の増額禁止特約は有効・減額禁止特約も有効(定期借家)。「すべての特約が無効」は誤りです。
  • 2借地の減額禁止特約は無効。「借地でも減額禁止特約は有効」は誤りです(借地借家法第11条)。
  • 3増額請求後は従前の賃料を支払えばよい(一時的)。「すぐに増額後の賃料を支払わなければならない」は誤りです。
  • 4不足額・過払い額には年10%の利息が付く。「利息なし」は誤りです(借地借家法第11条第2項・第3項)。

練習問題

問題

賃料増減額請求に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.借家において賃料を減額しない旨の特約は常に無効
  • イ.借地において賃料を減額しない旨の特約は有効
  • ウ.借地において賃料を減額しない旨の特約は無効
  • エ.増額請求を受けた賃借人は直ちに増額後の賃料を支払わなければならない
正解:ウ
借地において賃料を減額しない旨の特約は無効です(借地借家法第11条第1項)。アは誤り(定期建物賃貸借では減額禁止特約が有効)。イは誤り(借地の減額禁止特約は無効)。エは誤り(協議が調うまで従前の賃料を支払えば足ります)。

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よくある質問

Q借家の賃料増額禁止特約は有効ですか?

有効です(借地借家法第32条第1項ただし書き)。一定期間増額しない旨の特約は借家でも借地でも有効です。

Q借地の賃料減額禁止特約は有効ですか?

無効です(借地借家法第11条第1項)。借地権者を保護するため、減額禁止特約は認められません。

Q増額請求後の賃料はいつから変わりますか?

協議が調った時または裁判確定時から変わります。それまでは従前の賃料を支払えば足ります(借地借家法第32条)。