宅建業法

業務上の規制とは?守秘義務・従業者証明書・標識をわかりやすく解説【宅建】

(ぎょうむじょうのきせい)

宅建業法は、取引の相手方を保護するために宅建業者の業務に対してさまざまな規制を設けています。宅建試験では「守秘義務」「従業者証明書」「帳簿・業務管理者」「標識・事務所要件」が頻出です。

業務上の規制の概要

宅建業法は、宅建業者が業務を行う上で遵守しなければならないさまざまな規制(義務・禁止事項)を定めており、消費者保護と取引の公正を確保しています(宅建業法第31条〜第50条の2)。

守秘義務(宅建業法第45条)

宅建業者および宅建業者の従業者は、正当な理由がある場合を除き、業務上知り得た秘密を漏らしてはなりません

この守秘義務は宅建業者でなくなった後も継続します(退職・廃業後も義務あり)。

正当な理由の例:依頼者本人の同意・法令に基づく場合(税務調査等)・裁判所への報告

従業者証明書・帳簿・名簿

従業者証明書(宅建業法第48条)

宅建業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければなりません。

従業者は取引の相手方から請求があったときは、従業者証明書を提示しなければなりません。

宅建業者が廃業しても、従業者証明書の交付記録は5年間保存しなければなりません。

帳簿(宅建業法第49条)

宅建業者は、事務所ごとに取引台帳(帳簿)を備えなければなりません。

帳簿は各取引完結後5年間保存が必要です(新築住宅の売主業者は10年間)。

従業者名簿(宅建業法第48条第3項)

事務所ごとに従業者名簿を備え、取引関係者から請求があれば閲覧させなければなりません。

名簿は最終記載から10年間保存しなければなりません。

標識・報酬額の掲示

標識の掲示(宅建業法第50条):宅建業者は事務所・案内所等に宅建業者であることを示す標識(法定看板)を掲示しなければなりません。

報酬額の掲示(宅建業法第46条):事務所ごとに、国土交通大臣が定めた報酬額表を見やすい場所に掲示しなければなりません。

事務所に備え置くべきもの:①報酬額表②従業者名簿③帳簿④標識(の掲示)

試験ポイント

  • 1守秘義務は退職・廃業後も継続。「宅建業者でなくなれば守秘義務はない」は誤りです。
  • 2帳簿は5年間保存(新築住宅の売主は10年)。従業者名簿は10年間保存です。期間の違いに注意しましょう。
  • 3従業者証明書の提示は「相手方から請求があった時」。宅建士証(重説時は請求なしに提示必須)と区別してください。
  • 4標識と報酬額表は事務所に掲示必須。これらを掲示しないと宅建業法違反になります。

練習問題

問題

業務上の規制に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.守秘義務は宅建業者であるときのみ適用され、退職後は義務がない
  • イ.帳簿の保存期間は各取引完結後5年間(新築住宅の売主は10年間)である
  • ウ.従業者証明書は取引の相手方から請求がなくても常に提示しなければならない
  • エ.従業者名簿の保存期間は5年間である
正解:イ
帳簿の保存期間は各取引完結後5年間ですが、新築住宅を売主として売買した場合は10年間です(宅建業法第49条)。アは誤り(守秘義務は退職・廃業後も継続)。ウは誤り(従業者証明書は請求があった時に提示)。エは誤り(従業者名簿の保存期間は10年間)。

この用語が出る問題を解く

用語を理解したら実際の問題で定着を確認しましょう。宅建業法の過去問・オリジナル問題を解説付きで演習できます。

宅建業法の問題を解く(無料)

よくある質問

Q守秘義務は退職後も続きますか?

はい。守秘義務は宅建業者でなくなった後も継続します(宅建業法第45条)。退職・廃業後も業務上知り得た秘密を漏らしてはなりません。

Q帳簿の保存期間はどのくらいですか?

各取引完結後5年間です。ただし、宅建業者が新築住宅を売主として売買した場合は10年間保存しなければなりません(宅建業法第49条)。

Q事務所に備え置かなければならないものは何ですか?

報酬額表・従業者名簿・帳簿を備え置き、標識を掲示しなければなりません(宅建業法第46条・第48条・第49条・第50条)。