権利関係

法定更新とは?更新拒絶の正当事由・手続きをわかりやすく解説【宅建】

(ほうていこうしん)

法定更新とは、借地・借家契約の期間が満了した際に、当事者が適切な手続きをしなかった場合に自動的に契約が更新されたとみなされる制度のことです。宅建試験では「更新拒絶に必要な正当事由」「通知の期限」「定期借地・定期借家との違い」が頻出です。

法定更新とは

法定更新とは、借地・借家契約の期間満了後も当事者から更新を拒絶する旨の通知がなかった場合や、賃借人が継続して使用収益をしている場合に、従前と同一条件で契約が更新されたとみなされる制度のことです(借地借家法第5条・第26条)。

補足:法定更新は借主(賃借人・借地権者)保護のための制度です。貸主(賃貸人)が更新を拒絶するには正当事由が必要で、正当事由のない更新拒絶は無効になります。

借地・借家の更新拒絶の比較

種類更新拒絶の通知期限正当事由更新後の期間
普通借地権(借地借家法第5条)期間満了の1年前〜6か月前必要1回目20年・2回目以降10年
普通借家(借地借家法第26条)期間満了の1年前〜6か月前必要期間の定めのない契約
定期借地権なし(更新なし)不要更新なし・期間満了で終了
定期借家(借地借家法第38条)1年以上の契約:終了の1年前〜6か月前に通知不要更新なし・期間満了で終了

根拠:借地借家法第5条・第6条・第26条・第28条

正当事由とは

更新拒絶の正当事由は以下の事情を総合的に判断して認定されます(借地借家法第6条・第28条)。

主な考慮要素:

・賃貸人(または転借人)が建物を自ら使用する必要性の程度

・賃借人が建物を使用する必要性の程度

・賃貸借に関する従前の経緯(契約期間・賃料の推移等)

・建物の利用状況

立退料の提供(財産上の給付)

重要:正当事由は「賃貸人が自分で使いたい」という理由だけでは認められないことが多く、立退料の提供等も合わせて総合判断されます。「立退料を払えば必ず認められる」も誤りです。

試験ポイント

  • 1更新拒絶の通知は「1年前〜6か月前」に行う。「1か月前」は誤りです(借地借家法第26条・第5条)。
  • 2正当事由のない更新拒絶は無効。通知しても正当事由がなければ法定更新されます。
  • 3定期借家に法定更新はない。「定期借家でも更新される場合がある」は誤りです。
  • 4法定更新後は「期間の定めのない契約」になる。借家の場合、更新後は期間の定めなしとなります(借地借家法第26条第1項)。

練習問題

問題

法定更新に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.普通借家において賃貸人は1か月前に通知すれば正当事由なく更新を拒絶できる
  • イ.定期借家契約でも法定更新が生じる場合がある
  • ウ.普通借家の更新拒絶には正当事由が必要で、通知は1年前〜6か月前に行う
  • エ.立退料を支払えば正当事由の有無にかかわらず更新を拒絶できる
正解:ウ
普通借家の更新拒絶には正当事由が必要で、通知は期間満了の1年前〜6か月前に行わなければなりません(借地借家法第26条・第28条)。アは誤り(通知期限は1年前〜6か月前で、かつ正当事由が必要)。イは誤り(定期借家に法定更新はありません・借地借家法第38条)。エは誤り(立退料は正当事由の一要素ですが、それだけで必ず認められるわけではありません)。

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よくある質問

Q法定更新とは何ですか?

契約期間満了後に更新拒絶がなかった場合に自動的に契約が更新される制度です(借地借家法第5条・第26条)。

Q更新を拒絶するには何が必要ですか?

正当事由が必要です。自ら使用する必要性・建物の状況・立退料の提供等を総合判断して認定されます(借地借家法第6条・第28条)。

Q定期借家に法定更新はありますか?

ありません。定期借家は期間満了で終了し法定更新は発生しません(借地借家法第38条)。