借地借家法とは?借地権・借家権・定期借家をわかりやすく解説【宅建】
(しゃくちしゃっかほう)
借地借家法とは、建物の所有を目的とする土地の賃借権(借地権)と建物の賃借権(借家権)について、民法の特則を定めた法律のことです。宅建試験では「借地権の存続期間・更新」「定期借地権の種類」「定期建物賃貸借(定期借家)の要件」が頻出です。
借地借家法とは
借地借家法とは、建物の所有を目的とする地上権・土地賃借権(借地権)と建物の賃貸借(借家権)について、賃借人(弱者)を保護するために民法よりも強力な規定を設けた特別法のことです(1992年施行)。
補足:借地借家法は民法の特別法で民法に優先して適用されます。「建物所有目的」でない土地の賃貸借(資材置き場・駐車場等)には借地借家法は適用されず民法が適用されます。
借地権の種類と存続期間
| 種類 | 存続期間 | 更新 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 普通借地権 | 30年以上(最短30年) | あり(1回目20年・2回目以降10年) | 更新拒絶には正当事由が必要 |
| 一般定期借地権 | 50年以上 | なし | 書面(公正証書等)が必要 |
| 建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | なし | 期間満了時に借地上の建物を相当価格で貸主が買い取る |
| 事業用定期借地権 | 10年以上50年未満 | なし | 公正証書が必須・事業用建物のみ |
根拠:借地借家法第3条・第22条・第23条・第24条
借家権(建物賃貸借)
普通建物賃貸借の主なルール
・存続期間:1年未満の定めは期間の定めがないものとみなされます(借地借家法第29条)。
・対抗要件:建物の引渡しを受けていれば登記がなくても第三者に対抗できます(借地借家法第31条)。
・更新拒絶:賃貸人が更新を拒絶するには正当事由が必要です(借地借家法第28条)。
・賃貸人の解約申し入れ:6か月前に通知が必要(借地借家法第27条)。
定期建物賃貸借(定期借家)の要件
定期借家とは、契約期間の満了により更新なく終了する建物賃貸借です(借地借家法第38条)。
・公正証書等の書面による契約が必要
・契約に先立ち、賃貸人が賃借人に更新がない旨の説明文書を交付して説明することが必要
・期間が1年以上の場合、期間満了の1年前から6か月前までの間に賃借人へ終了通知が必要
・床面積200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情がある場合は賃借人から中途解約できます
試験ポイント
- 1普通借地権の最短期間は「30年」。30年未満の期間を定めても30年になります。
- 2事業用定期借地権は「公正証書が必須」「10年以上50年未満」。居住用には使えません。
- 3定期借家の契約は「書面」かつ「説明文書の交付」が必要。口頭での合意は定期借家にならず普通借家になります。
- 4建物の対抗要件は「引渡し」。登記がなくても引渡しを受けていれば新所有者に対抗できます(借地借家法第31条)。
練習問題
普通借地権の存続期間について、当事者が20年と定めた場合の効力として正しいものはどれか。
- ア.20年の合意が有効でそのまま適用される
- イ.30年に延長される(最短期間を下回る定めは無効)
- ウ.期間の定めなしの契約とみなされる
- エ.契約自体が無効になる
普通借地権の存続期間は最短30年で、30年未満の期間を定めても30年に延長されます(借地借家法第3条)。20年という合意は無効で、自動的に30年になります。
事業用定期借地権に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- ア.居住用建物にも利用できる
- イ.契約は書面であれば公正証書でなくてもよい
- ウ.存続期間は10年以上50年未満で、公正証書による契約が必須
- エ.存続期間は50年以上でなければならない
事業用定期借地権の存続期間は10年以上50年未満で、公正証書による契約が必須です(借地借家法第23条)。アは誤り(事業用建物のみ。居住用には利用不可)。イは誤り(公正証書が必須)。
定期建物賃貸借(定期借家)の成立要件として正しいものはどれか。
- ア.口頭での合意があれば成立する
- イ.書面による契約のみで成立し、説明文書の交付は不要
- ウ.書面による契約に加え、賃貸人が「更新がない旨」の説明文書を交付・説明する必要がある
- エ.公正証書による契約のみが有効である
定期借家は①書面(公正証書等)による契約、②契約前に賃貸人が賃借人に対して更新がない旨の説明文書を交付して説明することが必要です(借地借家法第38条)。どちらが欠けても定期借家とならず普通借家になります。
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用語を理解したら実際の問題で定着を確認しましょう。権利関係の過去問・オリジナル問題を解説付きで演習できます。
権利関係の問題を解く(無料)よくある質問
Q普通借地権の存続期間はどのくらいですか?
最短30年です。当事者が30年未満の期間を定めても自動的に30年になります(借地借家法第3条)。更新は1回目が20年以上、2回目以降が10年以上です。
Q定期借家と普通借家の違いは何ですか?
定期借家は期間満了で更新なく終了します。普通借家は正当事由がなければ賃貸人は更新を拒絶できません。定期借家は書面による契約と説明文書の交付・説明が必要です(借地借家法第38条)。
Q借地借家法はすべての土地・建物の賃貸借に適用されますか?
いいえ。借地権については「建物の所有を目的とする」地上権・土地賃借権のみが対象です。駐車場・資材置き場などの土地賃貸借には適用されず、民法が適用されます(借地借家法第1条)。