権利関係

遺産分割とは?協議・特別受益・寄与分をわかりやすく解説【宅建】

(いさんぶんかつ)

遺産分割とは、相続開始後に共同相続人が遺産を具体的に分け合う手続きのことです。宅建試験では「分割の方法」「特別受益・寄与分による調整」「遺産分割の効力が遡及すること」が出題されます。

遺産分割とは

遺産分割とは、共同相続人が相続開始後に遺産を具体的に分け合う手続きのことで、被相続人の遺言がある場合はそれに従い、ない場合は協議・調停・審判によって分割します(民法第906条〜第914条)。

遺産分割の方法

方法内容要件
遺言による分割被相続人が遺言で指定した方法有効な遺言が存在すること
協議分割(民法第907条)相続人全員の合意による分割相続人全員の合意が必要
調停分割家庭裁判所の調停による分割協議が調わない場合
審判分割(民法第907条第2項)家庭裁判所の審判による分割調停が成立しない場合

根拠:民法第906条〜第907条

重要:協議分割は相続人全員の合意が必要です。一部の相続人を除いた協議は無効になります。

特別受益・寄与分

特別受益(民法第903条)

被相続人から生計の資本としての贈与・婚姻や養子縁組のための贈与・遺贈を受けた相続人(特別受益者)は、相続分から特別受益分を差し引いた額を相続します。

特別受益の持ち戻し免除:被相続人が遺言で「特別受益を持ち戻さないようにする」ことができます。

寄与分(民法第904条の2)

相続人のうち、被相続人の財産の維持・増加に特別の貢献をした者(療養看護・財産管理等)は、相続分に寄与分を加算した額を相続します。

寄与分は相続人の協議で定め、協議が調わない場合は家庭裁判所が定めます。

試験ポイント

  • 1協議分割は相続人全員の合意が必要。一人でも欠けると無効です。
  • 2遺産分割の効力は相続開始時に遡る。「分割した日から効力が生じる」は誤りです(民法第909条)。
  • 3特別受益は贈与・遺贈が対象。「通常の贈与はすべて特別受益」は誤りで、婚姻・生計の資本としての贈与等が対象です。
  • 4遺産分割の禁止期間は最長5年。被相続人は遺言で5年を超えない期間の分割禁止を定められます(民法第908条)。

練習問題

問題

遺産分割に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.遺産分割の協議は相続人の過半数の合意があれば成立する
  • イ.遺産分割の効力は分割が成立した時から生じる
  • ウ.遺産分割の効力は相続開始の時に遡って生じる
  • エ.遺産分割は必ず家庭裁判所で行わなければならない
正解:ウ
遺産分割の効力は相続開始の時に遡って生じます(民法第909条)。アは誤り(協議分割は相続人全員の合意が必要)。イは誤り(遡及効があります)。エは誤り(まず相続人間の協議で行うのが原則で、家庭裁判所は協議が調わない場合の手続きです)。

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よくある質問

Q遺産分割の方法にはどのようなものがありますか?

協議分割・調停分割・審判分割の3つがあります(民法第907条)。まず全員での協議を行います。

Q特別受益とは何ですか?

共同相続人のうち被相続人から特別の利益(婚姻・生計の資本としての贈与等)を受けた者の相続分を調整する制度です(民法第903条)。

Q遺産分割の効力はいつから生じますか?

相続開始時に遡って生じます(民法第909条)。ただし第三者の権利は侵害できません。