権利関係

差押え・強制執行とは?不動産競売の流れをわかりやすく解説【宅建】

(さしおさえ・きょうせいしっこう)

差押えとは債権者が債務者の財産に対して処分を禁止する手続きで、強制執行は債務名義(判決等)に基づいて債権を強制的に回収する手続きのことです。宅建試験では「競売の手続き」「抵当権の実行」「任意売却との関係」が出題されます。

差押えとは

差押えとは、債権者が強制執行の準備として、裁判所の命令により債務者の財産の処分を禁止する手続きのことです(民事執行法第45条)。

登記への影響:不動産の差押えは登記簿の甲区に記録されます。差押え後に不動産を取得した者は差押え債権者に対抗できません。

不動産競売の流れ

①債権者(または抵当権者)が裁判所に競売申立て

②裁判所が差押え登記を嘱託(甲区に記録)

③評価人による評価→最低売却価額の決定

④入札期間→最高価買受申出人の決定

⑤売却許可決定→買受人が代金納付

⑥代金から債権者への配当→所有権移転登記

比較項目任意売却競売
売却価格市場価格に近い市場価格より低い(7〜8割程度)
主導権債務者の意思裁判所による強制
担保権者の同意必要不要(申立てで進行)

根拠:民事執行法

試験ポイント

  • 1差押えの登記は甲区に記録。所有権に関する事項(甲区)に「差押」と登記されます。
  • 2任意売却は競売より高値になりやすい。住宅ローン返済困難時の選択肢として重要です。
  • 3買受人は代金納付で所有権取得。「競落時(最高価決定時)」ではありません(民事執行法第79条)。
  • 4競売申立ては「債権者」が行う。「債務者が申し立てる」は誤りです。

練習問題

問題

差押え・強制執行に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.不動産の差押えは登記簿の乙区に記録される
  • イ.競売の申立ては常に債務者が行う
  • ウ.競売における買受人は売却許可決定時に所有権を取得する
  • エ.競売における買受人は代金を納付することで所有権を取得する
正解:エ
買受人は代金を納付することで所有権を取得します(民事執行法第79条)。アは誤り(差押えは甲区)。イは誤り(申立ては債権者)。ウは誤り(売却許可決定ではなく代金納付時です)。

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よくある質問

Q差押えとは何ですか?

裁判所の命令により債務者の財産の処分を禁止する手続きです(民事執行法第45条)。

Q任意売却と競売の違いは何ですか?

任意売却は債務者が自ら売却し市場価格に近い価格が期待できます。競売は裁判所による強制売却で価格が低くなりがちです。

Q買受人はいつ所有権を取得しますか?

代金を納付した時点で所有権を取得します(民事執行法第79条)。