権利関係

売買契約とは?成立・危険負担・手付・解除をわかりやすく解説【宅建】

(ばいばいけいやく)

売買契約とは、売主が財産権を移転し買主がその代金を支払うことを合意する契約のことです。宅建試験では「危険負担」「手付の種類と効力」「解除の方法(手付解除・合意解除・法定解除)」が頻出です。

売買契約とは

売買契約とは、当事者の一方(売主)がある財産権を相手方(買主)に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約する契約のことです(民法第555条)。

補足:売買契約は諾成契約(当事者の合意のみで成立し、書面や物の引渡しは不要)・双務契約(双方が義務を負う)・有償契約(対価を伴う)です。

危険負担(2020年改正)

状況2020年改正前2020年改正後
売主の責任がない理由で物が滅失・損傷した場合買主は代金を支払う義務がある(債権者主義)買主は履行拒絶ができる(民法第536条)
買主の責任がある場合同左買主は代金を支払う義務がある
引渡し後に滅失した場合買主負担同左(引渡しで危険が移転)

根拠:民法第536条(2020年改正)

重要:2020年改正で「危険負担」の「債権者主義(引渡し前でも買主が負担)」が廃止されました。引渡し前に売主の責任なく物が滅失した場合、買主は履行を拒絶できます。引渡しで危険が移転する点は変わりません。

手付の種類

種類内容解除の可否
証約手付契約成立の証拠として交付解除権なし
解約手付買主は放棄・売主は倍額返還で解除可能相手方の履行着手前に限り解除可
違約手付違約があった場合の損害賠償の予定違約がなければ返還

根拠:民法第557条

宅建業者売主の場合:交付された手付は解約手付としての性質を持ちます(宅建業法第39条)。手付の額は代金の20%を超えることができません。

試験ポイント

  • 1危険負担の「債権者主義」は2020年改正で廃止。引渡し前に売主責任なく滅失→買主は履行拒絶可。
  • 2手付解除は「相手方の履行着手前」が条件履行着手後は手付解除できません。
  • 3売買契約は口頭でも成立する。「書面が必要」は誤りです(保証契約と違い書面不要)。
  • 4引渡し後の滅失は買主負担。「引渡し前は常に売主負担」は誤りです(買主の責任による場合は別)。

練習問題

問題

危険負担に関する記述のうち、正しいものはどれか(2020年改正民法)。

  • ア.売主の責任がない理由で目的物が引渡し前に滅失した場合、買主は代金を支払わなければならない
  • イ.売主の責任がない理由で目的物が引渡し前に滅失した場合、買主は履行を拒絶できる
  • ウ.目的物の引渡し後に売主の責任なく滅失した場合、売主が損害を負担する
  • エ.危険負担は当事者の合意では変更できない
正解:イ
2020年改正民法により、売主の責任がない理由で引渡し前に目的物が滅失した場合、買主は履行を拒絶できます(民法第536条)。改正前は「債権者主義」により買主が代金を支払う義務を負いましたが廃止されました。

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よくある質問

Q売買契約はいつ成立しますか?

申込みと承諾が合致した時に成立します(民法第555条)。書面は不要で口頭でも成立します。

Q危険負担とはどのような制度ですか?

双務契約において一方の債務が当事者の責めによらず履行不能になった場合の取り扱いを定めた制度です(民法第536条)。2020年改正で買主は履行拒絶ができるようになりました。

Q手付の種類は何がありますか?

証約手付・解約手付・違約手付の3種類があります(民法第557条)。宅建業者が売主の場合の手付は解約手付の性質を持ちます(宅建業法第39条)。