債務不履行とは?履行遅滞・履行不能・解除・損害賠償をわかりやすく解説【宅建】
(さいむふりこう)
債務不履行とは、債務者が正当な理由なく債務の内容に従った履行をしないことをいいます。履行遅滞・履行不能・不完全履行の3種類があり、債権者は解除・損害賠償を請求できます。2020年改正民法での変更点も頻出です。
債務不履行とは
債務不履行とは、債務者が契約その他の債務の本旨に従った履行をしないことをいい、履行遅滞・履行不能・不完全履行の3類型があります。債権者は解除権・損害賠償請求権を行使できます(民法第415条〜第422条の2)。
3つの類型の比較
| 類型 | 内容 | 成立要件 | 解除 | 損害賠償 |
|---|---|---|---|---|
| 履行遅滞 | 履行できるのに期限を過ぎても履行しない | ①履行期到来②履行可能③帰責事由(原則) | 催告後に解除可能 | 請求可能 |
| 履行不能 | 履行が不可能になった状態 | ①履行不能②帰責事由(原則) | 催告不要で即時解除可能 | 請求可能 |
| 不完全履行 | 一応履行したが内容が不完全 | ①不完全な履行②帰責事由(原則) | 追完できれば催告後解除 | 請求可能 |
根拠:民法第412条・第415条・第541条・第542条
2020年改正の重要変更点:改正前は債務不履行による解除に「帰責事由(故意・過失)」が必要でした。改正後は解除に帰責事由は不要で、損害賠償請求のみ帰責事由が必要です(民法第541条・第415条)。
解除の要件
催告解除(民法第541条)
相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がない場合に解除できます。
ただし、催告期間が経過した時点での不履行が軽微な場合は解除できません(2020年改正で明文化)。
無催告解除(民法第542条)
次の場合は催告なく直ちに解除できます。
・履行不能(全部不能・または一部不能で目的を達成できない場合)
・債務者が履行を明確に拒絶した場合
・定期行為(特定の期日でなければ目的を達せない契約)で期日を過ぎた場合
・催告しても解除できないことが明らかな場合
試験ポイント
- 1解除に帰責事由は不要(2020年改正)。「帰責事由がなければ解除できない」は改正前の誤った知識です。
- 2損害賠償には帰責事由が必要。解除は帰責事由不要・損賠は帰責事由必要の非対称が試験頻出です。
- 3軽微な不履行では催告解除できない。不履行の程度が問われます。
- 4履行不能は催告不要で即時解除可能。「履行不能でも催告が必要」は誤りです。
練習問題
債務不履行に関する記述のうち、正しいものはどれか(2020年改正民法)。
- ア.契約の解除には、債務者の帰責事由が必要である
- イ.履行不能の場合でも、解除するには催告が必要である
- ウ.損害賠償請求には、債務者の帰責事由が必要である
- エ.軽微な不履行でも、催告後に解除できる
アは誤り(2020年改正で解除に帰責事由は不要になりました・民法第541条)。イは誤り(履行不能は催告不要で即時解除可能・民法第542条)。ウが正しい(損害賠償請求には帰責事由が必要・民法第415条)。エは誤り(軽微な不履行では催告解除できません・民法第541条但書)。
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権利関係の問題を解く(無料)よくある質問
Q解除に帰責事由は必要ですか?
不要です(2020年改正)。解除は帰責事由なしでも行使できます。ただし損害賠償請求は帰責事由が必要です(民法第541条・第415条)。
Q催告なしで解除できるのはどんな場合ですか?
履行不能・債務者が明確に履行拒絶・定期行為の期日経過・催告しても解除できないことが明らかな場合です(民法第542条)。
Q軽微な不履行でも解除できますか?
できません。催告後の不履行が軽微な場合は、催告解除は認められません(民法第541条但書)。