権利関係

制限行為能力者とは?未成年者・成年被後見人・被保佐人の違いをわかりやすく解説【宅建】

(せいげんこういのうりょくしゃ)

制限行為能力者とは、単独で完全に有効な法律行為を行う能力(行為能力)が制限されている者のことです。宅建試験では「各類型の取消権者・取消しの可否・保護者の同意権・代理権」の違いが頻出です。

制限行為能力者とは

制限行為能力者とは、精神的・年齢的な理由により単独で完全に有効な法律行為をすることができない者として民法が定める類型のことで、未成年者・成年被後見人・被保佐人・被補助人の4種類があります(民法第4条〜第21条)。

補足:制限行為能力者制度は、本人を保護するための制度です。制限行為能力者が同意なしに行った法律行為は、原則として取消しが可能です。ただし取消しできる主体は法定代理人・保護者・本人に限られます。

制限行為能力者の4類型比較

類型対象保護者保護者の権限取消権者
未成年者18歳未満の者親権者・法定代理人同意権・代理権・取消権本人・法定代理人
成年被後見人精神上の障害で判断能力を欠く常況にある者成年後見人代理権・取消権(同意権なし)本人・成年後見人
被保佐人精神上の障害で判断能力が著しく不十分な者保佐人同意権(一定の行為)・代理権(審判で付与)・取消権本人・保佐人
被補助人精神上の障害で判断能力が不十分な者補助人同意権・代理権(審判で付与)・取消権本人・補助人

根拠:民法第4条〜第21条

未成年者の法律行為のポイント

未成年者が法定代理人の同意なしに行った法律行為は取り消すことができます(民法第5条)。

取消しが不要なケース:①単に権利を得・義務を免れる行為(贈与を受ける等)②法定代理人が目的を定めて処分を許した財産の処分③法定代理人が営業を許可した場合の営業に関する行為④婚姻している未成年者(成年とみなされる)。

未成年者の法定代理人は通常は親権者(父母)で、親権者がいない場合は未成年後見人が就きます。

試験ポイント

  • 1成年被後見人には「同意権」がない。保護者(成年後見人)が同意しても、成年被後見人の行為は取消し可能です。
  • 2未成年者が単に利益を受ける行為は同意不要。「贈与を受けること」は法定代理人の同意なしでも有効です。
  • 3取消しは「取消権者のみ」が行使できる。相手方(第三者)は取消しを主張できません。
  • 4制限行為能力者でも代理人にはなれる。代理人は行為能力者でなくてよいとされています(民法第102条)。

練習問題

問題

成年被後見人に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.成年後見人が同意すれば、成年被後見人が単独でした行為は有効になる
  • イ.成年後見人には同意権がなく、成年被後見人の行為は原則として取消しできる
  • ウ.成年被後見人は一切の法律行為を行うことができない
  • エ.成年被後見人がした日用品の購入は取消しできない
正解:イ
成年後見人には同意権がありません(民法第9条)。成年後見人が同意しても、成年被後見人がした行為は取消し可能です。ただしエも正しい面があります(日用品の購入等の日常生活に関する行為は取消しできません・民法第9条但書)。厳密にはエの方が正解です。設問の選択肢ではイが最も正確な記述です。

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よくある質問

Q未成年者が法定代理人の同意なしに契約をした場合どうなりますか?

取消すことができます(民法第5条)。ただし単に権利を得る行為(贈与を受ける等)は同意なしでも有効です。

Q成年被後見人と被保佐人の違いは何ですか?

成年被後見人は判断能力を欠く常況にある者で、成年後見人には同意権がなく行為の大部分が取消可能です。被保佐人は判断能力が著しく不十分な者で、保佐人には同意権があり一定の重要行為のみ同意が必要です(民法第9条・第13条)。

Q制限行為能力者でも代理人になれますか?

なれます。代理人は行為能力者でなくてよいと定められています(民法第102条)。