【宅建業法】専任媒介・一般媒介・専属専任媒介の3種類を徹底比較

宅建業法第34条の2が定める媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。どの種類を選ぶかによって、他業者への依頼可否・指定流通機構(レインズ)への登録義務・業務報告の頻度が大きく変わります。宅建試験では数値(営業日数・報告頻度)が頻繁に問われるため、表で暗記しておくことが得点への最短ルートです。

一般媒介契約は最も制約が少なく、複数の宅建業者に同時依頼でき、自分で買主を探して直接取引することも自由です。ただしレインズへの登録義務がなく、業務報告義務もないため、依頼した業者の活動が見えにくいデメリットがあります。

専任媒介・専属専任媒介はともに1社のみへの依頼に限定されますが、その分レインズ登録と業務報告が義務化されます。最大の違いは「自己発見取引」の可否で、専任は認められますが専属専任は認められません。数字の整理として「専属専任:5営業日・1週間」「専任:7営業日・2週間」というセットで覚えると試験本番でも混乱しません。

1比較表

比較軸一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他業者への依頼複数の宅建業者に同時に媒介を依頼できる(制限なし)他の宅建業者への依頼は禁止。依頼できるのは1社のみ他の宅建業者への依頼は禁止。依頼できるのは1社のみ
自己発見取引依頼者自身が買主・借主を見つけて直接契約することができる依頼者自身が相手方を発見して直接取引することが認められる依頼者自身による相手方の発見・直接取引も禁止。必ず業者を通じる必要がある
指定流通機構(レインズ)登録登録義務なし(任意で登録することは可能)契約締結日から7営業日以内に登録しなければならない契約締結日から5営業日以内に登録しなければならない
業務状況の報告義務報告義務の規定なし(任意で行う)2週間に1回以上、依頼者に業務状況を報告しなければならない1週間に1回以上、依頼者に業務状況を報告しなければならない
有効期間の上限有効期間の上限規定なし(ただし標準媒介契約約款では3か月が標準)3か月を超えることができない。依頼者の申出により更新は可能3か月を超えることができない。依頼者の申出により更新は可能
媒介契約書面の交付宅地・建物の売買・交換の媒介では遅滞なく書面を交付する義務がある宅地・建物の売買・交換の媒介では遅滞なく書面を交付する義務がある宅地・建物の売買・交換の媒介では遅滞なく書面を交付する義務がある
依頼者にとってのメリット複数業者に依頼でき競争原理が働く。ただし各業者の積極性が低くなりがち1社に集中して営業してもらえる。自己発見取引の自由も残る業者が最も積極的に動く傾向がある。報告頻度も高く状況把握しやすい
試験での主な出題箇所「一般媒介にはレインズ登録義務がない」という選択肢の真偽「7営業日以内のレインズ登録」「2週間に1回の報告」の数値「5営業日以内のレインズ登録」「1週間に1回の報告」「自己発見取引不可」の数値・要件

数値・手続の正誤は演習と公式テキストで必ず確認してください。

2試験で押さえるポイント

  1. 専属専任=レインズ登録5営業日以内・業務報告1週間に1回以上の2つの数値を必ずセットで暗記
  2. 専任媒介=レインズ登録7営業日以内・業務報告2週間に1回以上の2つの数値をセットで暗記
  3. 一般媒介はレインズ登録義務なし・報告義務なし(最も制約が少ない)
  4. 専属専任のみ自己発見取引が禁止(専任は自己発見取引が可能)
  5. 有効期間の上限は専任・専属専任ともに3か月(上限超えは無効、依頼者申出で更新可)
  6. 媒介契約書面の交付義務は3種類すべてに適用(売買・交換の媒介に限る)
  7. 有効期間を3か月超に設定した場合は3か月とみなされ(短縮はされない)
  8. レインズへの登録後、業者は登録証明書を依頼者に引き渡さなければならない

3よくある誤解・注意点

  1. 「専任媒介のレインズ登録が5営業日、専属専任が7営業日」と数値を逆に覚える誤り
  2. 「専任媒介では自己発見取引が禁止」と思い込む(禁止は専属専任のみ)
  3. 「一般媒介でも有効期間は3か月が上限」と誤解する(一般は上限規定なし)
  4. 「媒介契約書面は賃貸媒介にも交付義務がある」という誤解(売買・交換のみが対象)
  5. 「業者がレインズ登録をしなくても依頼者が登録できる」という誤解(登録義務は業者にある)

4覚え方・整理のコツ

「専属専任は5・1(5営業日・週1)、専任は7・2(7営業日・2週)」と語呂で覚えましょう。数字の小さい方が「専属専任」(より厳しい義務)、大きい方が「専任」(少し緩い)と紐づけてください。自己発見取引は「専(任)はOK、専属専任はNO」と「専任OKの法則」で暗記すると効果的です。

よくある質問

専任媒介の有効期間を「6か月」と定めた場合、どうなりますか?
専任媒介契約の有効期間は3か月が上限です。3か月を超える定めをした場合、その契約は3か月に短縮されたものとみなされます(3か月を下回る定めはそのまま有効)。依頼者の申出があれば更新でき、更新後の期間も3か月が上限です。
専属専任媒介で依頼者が自分で買主を見つけた場合、どうなりますか?
専属専任媒介では自己発見取引が禁止されています。依頼者が自分で見つけた相手方と直接取引した場合でも、宅建業者は「約定報酬額に相当する違約金」を依頼者に請求できると解されています。なお、これは不動産業者側の保護規定です。
レインズに登録した後、業者が登録証明書を渡さなかった場合はどうなりますか?
宅建業者はレインズ登録後、遅滞なく登録証明書を依頼者に引き渡す義務があります。これを怠ると宅建業法違反となり、行政処分(業務停止・指示処分等)の対象となります。
一般媒介契約に有効期間の上限はありませんが、何年でも有効ですか?
法律上の上限規定はありませんが、標準媒介契約約款では3か月が標準とされています。実務上は極端に長い期間を定めることは少なく、また公序良俗に反するほど不合理な期間は民法の一般原則により無効となり得ます。試験では「上限なし」という点だけ押さえれば十分です。

記事の基本情報

対象試験宅地建物取引士試験
分野宅建業法
比較対象一般媒介契約 / 専任媒介契約 / 専属専任媒介契約