譲渡所得税とは?不動産売却の税率・特別控除をわかりやすく解説【宅建】
(じょうとしょとくぜい)
譲渡所得税とは、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課税される所得税・住民税のことです。宅建試験では「長期・短期の区分(5年基準)」「税率の違い」「3,000万円特別控除」「居住用財産の買換え特例」が頻出です。
譲渡所得税とは
譲渡所得税とは、土地・建物等の不動産を譲渡(売却・交換等)した際に生じた利益(譲渡所得)に対して課税される、所得税および住民税の総称のことです(所得税法第33条)。
補足:譲渡所得は「分離課税」として他の所得と切り離して計算します。譲渡所得 = 譲渡収入金額 ー(取得費+譲渡費用)ー 特別控除額、で計算します。
長期・短期譲渡所得の税率
| 区分 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日時点で5年超 | 15% | 5% | 20%(復興特別所得税含む約20.315%) |
| 短期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 | 30% | 9% | 39%(復興特別所得税含む約39.63%) |
根拠:租税特別措置法第31条・第32条
重要:所有期間の判定は「譲渡した年の1月1日時点」です。例えば2020年3月に取得し2025年12月に譲渡した場合、1月1日時点で5年超かどうかを確認します。
主な特別控除・特例
居住用財産の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条)
マイホーム(居住用財産)を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。
要件:①現在住んでいる家屋またはその土地の譲渡、②売主・買主が親族(特別の関係)でないこと、③前年・前々年にこの特例を受けていないこと。
長期・短期の区別なく適用可能。
軽減税率の特例(長期・居住用財産)(租税特別措置法第31条の3)
所有期間が10年超の居住用財産の譲渡所得について、6,000万円以下の部分は所得税10%・住民税4%(合計14%)に軽減されます。
3,000万円特別控除と重ねて適用できます。
試験ポイント
- 1長期・短期の判定は「5年超か否か」(1月1日基準)。「5年以上」ではなく「5年超(5年を超える)」が長期です。
- 23,000万円特別控除は長期・短期どちらにも適用可能。「長期のみ」は誤りです。
- 310年超の居住用財産には軽減税率(14%)が適用。通常の長期20%よりさらに優遇されます。
- 4親族への譲渡は3,000万円特別控除の適用外。配偶者・直系血族等の特別関係者への売却は対象外です。
練習問題
不動産の譲渡所得に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- ア.短期譲渡所得の合計税率は20%である
- イ.長期・短期の判定は、取得日から譲渡日までの期間で行う
- ウ.居住用財産の3,000万円特別控除は、長期・短期の区別なく適用できる
- エ.所有期間5年ちょうどは長期譲渡所得となる
3,000万円特別控除は長期・短期の区別なく適用できます(租税特別措置法第35条)。アは誤り(短期の合計税率は39%)。イは誤り(判定は「譲渡した年の1月1日時点」での所有期間)。エは誤り(5年ちょうどは「5年以下」で短期譲渡所得です)。
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税・その他の問題を解く(無料)よくある質問
Q長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率の違いは?
長期(5年超)は合計約20%、短期(5年以下)は合計約39%です(租税特別措置法第31条・第32条)。
Q3,000万円特別控除の要件を教えてください。
居住用財産の譲渡で、①現在住んでいる家屋等の譲渡、②特別関係者(親族等)への譲渡でない、③前年・前々年に本特例を受けていないことが要件です(租税特別措置法第35条)。
Q所有期間5年ちょうどは長期・短期どちらですか?
短期(5年以下)です。長期は「5年超」(5年を超えること)が必要なので、5年ちょうどは短期に分類されます。