権利関係

相隣関係とは?囲繞地通行権・竹木の越境をわかりやすく解説【宅建】

(そうりんかんけい)

相隣関係とは、隣接する土地の所有者間で生じる権利義務関係のことです。宅建試験では「囲繞地通行権(袋地の通行権)」「竹木の越境(2023年改正)」「境界標・境界塀の費用負担」が出題されます。

相隣関係とは

相隣関係とは、隣接する土地の所有者間で、各土地の利用を調整するために民法が定める権利義務関係のことで、囲繞地通行権・竹木の越境・境界標・排水等に関する規定が含まれます(民法第209条〜第238条)。

囲繞地通行権(袋地の通行権)

囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)とは、他の土地に囲まれて公道に出られない土地(袋地)の所有者が、その袋地を囲んでいる土地(囲繞地)を通行できる権利のことです(民法第210条)。

項目内容
通行の場所・方法必要かつ囲繞地所有者にとって損害が最も少ない場所・方法
償金(通行料)原則として囲繞地所有者に償金を支払う(有償)
例外(無償)土地の分割・一部譲渡によって袋地が生じた場合は、その分割・譲渡の相手方の土地のみを通行でき、償金不要
登記の要否登記不要(法律上当然に生じる権利)

根拠:民法第210条〜第213条

竹木の越境(2023年改正)

根の越境:隣地から根が越境している場合は、土地所有者が自分で切ることができます(改正前から同様・民法第233条第1項)。

枝の越境(2023年改正・重要):隣地の竹木の枝が越境している場合、従来は所有者に切除を求めるしかありませんでしたが、改正後は以下の場合に自ら切除できます(民法第233条第3項)。

①竹木所有者に催告したが相当期間内に切除されないとき

②竹木所有者がわからない・所在不明のとき

③急迫の事情があるとき

試験ポイント:改正前(〜2023年)は枝の越境は「切除請求のみ」でした。改正後(2023年4月〜)は一定条件下で自ら切除できる点が新出題ポイントです(民法第233条第3項)。

その他の相隣関係

境界標の設置(民法第223条):土地所有者は隣地所有者と共同で境界標を設置できます。費用は等分で負担。

境界線上の工作物(民法第229条):境界線上に設けた境界標・囲障・障壁等は、相隣者の共有と推定されます。

排水(民法第214条):土地所有者は隣地から水が自然に流れてくることを妨げてはなりません(自然流水の受忍義務)。

目隠し(民法第235条):境界線から1m未満の距離で隣地を見通せる窓・縁側等を設ける場合は目隠しが必要です。

試験ポイント

  • 1囲繞地通行権は原則有償。「無償で通行できる」は誤りです(分割・一部譲渡で生じた袋地のみ無償)。
  • 2枝の越境は2023年改正で一定条件下で自ら切除可。「枝は切除請求しかできない」は改正前の知識です。
  • 3根の越境は自分で切れる(改正前から)。根と枝で扱いが異なる点に注意。
  • 4目隠しは「1m未満」の距離で必要。「2m未満」などは誤りです(民法第235条)。

練習問題

問題

相隣関係に関する記述のうち、正しいものはどれか(2023年改正民法を含む)。

  • ア.囲繞地通行権はすべての場合で無償である
  • イ.隣地の竹木の枝が越境してきた場合、土地所有者は常に自ら切除することができる
  • ウ.隣地の竹木の根が越境してきた場合、土地所有者は自分でその根を切ることができる
  • エ.目隠し設置義務は境界線から2m未満の距離に窓を設ける場合に生じる
正解:ウ
隣地の竹木の根が越境してきた場合、土地所有者は自分でその根を切ることができます(民法第233条第1項)。アは誤り(囲繞地通行権は原則有償)。イは誤り(枝の越境で自ら切除できるのは催告後相当期間内に切除されない場合等一定の条件があります・民法第233条第3項)。エは誤り(目隠し義務は1m未満の距離です・民法第235条)。

この用語が出る問題を解く

用語を理解したら実際の問題で定着を確認しましょう。権利関係の過去問・オリジナル問題を解説付きで演習できます。

権利関係の問題を解く(無料)

よくある質問

Q囲繞地通行権は有償ですか?

原則有償(償金が必要)です(民法第212条)。ただし土地の分割・一部譲渡で袋地が生じた場合は無償で通行できます(民法第213条)。

Q竹木の枝が越境してきた場合、自分で切れますか?

2023年改正により一定の条件(催告後相当期間内に切除されない場合等)のもとで自ら切除できるようになりました(民法第233条第3項)。

Q隣地の根が越境してきた場合はどうなりますか?

根の越境は改正前から土地所有者が自分で切ることができます(民法第233条第1項)。枝と扱いが異なる点に注意が必要です。