法令上の制限

容積率とは?計算方法・前面道路制限をわかりやすく解説【宅建】

(ようせきりつ)

容積率とは、敷地面積に対する建築物の延べ床面積の割合のことです。用途地域ごとに指定容積率が定められていますが、前面道路の幅員が12m未満の場合は、道路幅員から計算した数値との比較でより厳しい制限が適用されます。宅建試験では計算問題と「算入しない部分」が頻繁に出題されます。

容積率とは

容積率とは、敷地面積(土地の面積)に対する建築物の延べ床面積(全フロアの床面積の合計)の割合のことで、用途地域ごとに都市計画によって上限が定められています。

補足:「延べ床面積(のべゆかめんせき)」とは、建物のすべてのフロア(1階・2階・3階…)の床面積を合計したものです。3階建ての建物で各フロアが100㎡なら、延べ床面積は300㎡になります。建ぺい率で使う「建築面積(1フロア分)」とは異なります。

計算方法

容積率(%)= 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100

例)敷地面積200㎡、延べ床面積300㎡の場合 → 300 ÷ 200 × 100 = 150%

建ぺい率との違い:建ぺい率は「建築面積(真上から見た面積)÷ 敷地面積」で建物の横への広がりを制限します。容積率は「延べ床面積(全フロア合計)÷ 敷地面積」で建物の全体的な大きさを制限します。

前面道路の幅員による制限

前面道路(敷地に接する道路)の幅員が12m未満の場合、指定容積率よりも厳しい制限が加わることがあります。

計算方法:前面道路幅員(m)に係数をかけて「道路基準容積率」を求めます。

① 住居系用途地域:前面道路幅員(m)× 4/10(0.4)

② 住居系以外の用途地域:前面道路幅員(m)× 6/10(0.6)

①または②で計算した値と指定容積率を比べ、低い方が実際の容積率の上限になります。

例:第一種住居地域(住居系)で指定容積率200%、前面道路幅員6mの場合 → 6m × 4/10 = 240%。指定容積率200%の方が低いので、上限は200%になります。

例2:近隣商業地域(住居系以外)で指定容積率300%、前面道路幅員4mの場合 → 4m × 6/10 = 240%。道路基準の240%の方が低いので、上限は240%になります。

用途地域の区分 係数 対象地域(例)
住居系用途地域× 4/10第一・二種低層住居、第一・二種中高層住居、第一・二種住居、準住居、田園住居
住居系以外の用途地域× 6/10近隣商業、商業、準工業、工業、工業専用

根拠:建築基準法第52条第2項

延べ床面積に算入しない部分

一定の部分は、容積率の計算で使う延べ床面積から除外(不算入)できます。

部位・用途 不算入の上限
住宅・老人ホーム等の地下室住宅部分の延べ床面積の 1/3まで 不算入
共同住宅・老人ホームの共用廊下・共用階段全て 不算入
自動車・自転車の駐車場・駐輪場建物全体の延べ床面積の 1/5まで 不算入
エレベーターの昇降路部分全て 不算入

根拠:建築基準法第52条第3〜6項

試験ポイント

  • 1 「住居系は×4/10、それ以外は×6/10」を確実に覚える。係数の違いは頻出の選択肢です。「住居系の方が係数が小さく(制限が厳しく)なる」と理解すると忘れにくいです。
  • 2 前面道路が12m以上なら、道路幅員による制限は不要。12m以上の場合は指定容積率がそのまま上限になります。
  • 3 地下室の不算入は「1/3まで」、車庫は「1/5まで」。どちらも「全て不算入」ではないことに注意が必要です。
  • 4 計算問題では「指定容積率と道路基準容積率の低い方を選ぶ」手順を忘れない。道路基準で計算した値が指定容積率より高い場合は指定容積率が上限になります。

練習問題

問題 1

第一種住居地域(指定容積率200%)に接する前面道路の幅員が5mの場合、容積率の上限として正しいものはどれか。

  • ア.300%
  • イ.200%
  • ウ.150%
  • エ.100%
正解:イ(200%)
住居系用途地域の前面道路基準 → 5m × 4/10 = 200%。指定容積率も200%。両方とも200%なので、上限は200%です。前面道路幅員が6mなら6×0.4=240%となり、指定容積率200%の方が低いため200%が上限になります。
問題 2

容積率の計算における延べ床面積に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.住宅の地下室は、その面積の全てを延べ床面積に算入しない
  • イ.共同住宅の共用廊下は、延べ床面積の1/3まで算入しない
  • ウ.自動車駐車場は、建物全体の延べ床面積の1/5まで算入しない
  • エ.地下室の不算入措置は、商業ビルの地下駐車場にも適用される
正解:ウ
アは誤り(地下室は「住宅部分の延べ床面積の1/3まで」不算入。全てではない)。イは誤り(共同住宅の共用廊下・階段は「全て」不算入。1/3ではない)。ウが正しい(駐車場は延べ床面積の1/5まで不算入)。エは誤り(地下室の不算入措置は住宅・老人ホーム等が対象)。
問題 3

近隣商業地域(指定容積率300%)で、前面道路の幅員が4mの場合の容積率の上限はいくつか。

  • ア.160%
  • イ.240%
  • ウ.300%
  • エ.400%
正解:イ(240%)
近隣商業地域は住居系以外なので係数は6/10。4m × 6/10 = 240%。指定容積率300%より低いので、上限は240%です。

この用語が出る問題を解く

用語を理解したら実際の問題で定着を確認しましょう。法令上の制限の過去問・オリジナル問題を解説付きで演習できます。

法令上の制限の問題を解く(無料)

よくある質問

Q容積率の計算方法を教えてください。

容積率(%)= 延べ床面積 ÷ 敷地面積 × 100 で計算します。延べ床面積とは、建物の全フロアの床面積を合計したものです。例えば敷地面積200㎡、延べ床面積300㎡なら容積率は150%です。

Q前面道路の幅員による容積率の制限とは何ですか?

前面道路の幅員が12m未満の場合、道路幅員から計算した「道路基準容積率」と指定容積率を比べ、低い方が実際の上限になります。住居系用途地域では幅員(m)×4/10、住居系以外では幅員(m)×6/10で計算します(建築基準法第52条第2項)。

Q延べ床面積に算入しなくてよい部分はありますか?

はい、主なものは①住宅用地下室(住宅部分の延べ床面積の1/3まで不算入)、②共同住宅の共用廊下・階段(全て不算入)、③自動車駐車場・自転車駐輪場(建物全体の延べ床面積の1/5まで不算入)、④エレベーターの昇降路(全て不算入)です(建築基準法第52条第3〜6項)。