権利関係
弁済・相殺とは?第三者弁済・要件・差押えとの関係をわかりやすく解説【宅建】
(べんさい・そうさい)
弁済とは債務を履行することで、相殺とは互いに同種の債権を有する場合に一方的な意思表示で双方の債務を消滅させる制度です。宅建試験では「第三者弁済」「相殺の要件」「差押えと相殺の関係」が出題されます。
弁済とは
弁済とは、債務者が債務の本旨に従った給付を行うことによって、債権債務関係を消滅させる行為のことです(民法第473条)。
第三者弁済
原則として利害関係のない第三者でも弁済できます(民法第474条)。
ただし、①当事者が反対意思を表示した場合②債務の性質上第三者が弁済できない場合は不可。
弁済した第三者は、債務者に対して求償権(弁済した額を返すよう請求する権利)を取得します。
弁済者は、弁済と同時に債権者の承諾を得て債権を代位取得(弁済による代位)できます(民法第499条)。
相殺とは
相殺とは、互いに同種の給付を目的とする債権を有する当事者の一方が、一方的な意思表示によって双方の債権・債務を対当額で消滅させる制度のことです(民法第505条)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 要件 | ①同種の給付を目的②双方が弁済期③相殺が禁止されていない |
| 相殺できない場合 | 不法行為による損害賠償債権への相殺・差押えを受けた債権への相殺(原則)・特約による禁止 |
| 効力発生時期 | 意思表示の時ではなく双方の債権が相殺適状になった時に遡って効力が生じる |
| 差押えと相殺 | 差押え前に取得した債権は差押え後も相殺可能(民法第511条) |
根拠:民法第505条〜第512条の2
試験ポイント
- 1第三者弁済は原則有効。「債務者本人しか弁済できない」は誤りです(一定の例外あり)。
- 2相殺の効力は「相殺適状になった時」に遡る。「意思表示をした時」ではありません。
- 3不法行為による損害賠償債権は相殺できない。「現物をもって支払わせる趣旨」です(民法第509条)。
- 4差押え前取得の債権は差押え後も相殺可能。この原則は試験頻出です(民法第511条)。
練習問題
問題
相殺に関する記述のうち、正しいものはどれか。
- ア.相殺は相手方の同意が必要である
- イ.不法行為による損害賠償債権を受働債権として相殺できる
- ウ.差押え前に取得した債権は差押え後も相殺に使うことができる
- エ.相殺の効力は意思表示をした時から生じる
正解:ウ
差押え前に取得した債権は差押え後も相殺に使うことができます(民法第511条)。アは誤り(相殺は一方的な意思表示で足り相手方の同意は不要)。イは誤り(不法行為による損害賠償債権を受働債権〈相殺される側〉とすることはできません・民法第509条)。エは誤り(相殺の効力は相殺適状になった時に遡ります・民法第506条)。
差押え前に取得した債権は差押え後も相殺に使うことができます(民法第511条)。アは誤り(相殺は一方的な意思表示で足り相手方の同意は不要)。イは誤り(不法行為による損害賠償債権を受働債権〈相殺される側〉とすることはできません・民法第509条)。エは誤り(相殺の効力は相殺適状になった時に遡ります・民法第506条)。
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権利関係の問題を解く(無料)よくある質問
Q第三者弁済とは何ですか?
債務者以外の第三者が債務を弁済することです。原則として有効で弁済した第三者は求償権を取得します(民法第474条)。
Q相殺の要件を教えてください。
①同種の給付を目的とする債権が双方に存在②双方の債権が弁済期にある③相殺が禁止されていないことが必要です(民法第505条)。
Q差押えと相殺の関係はどうなりますか?
差押え前に取得した債権は差押え後も相殺できます(民法第511条)。差押え後に取得した債権では原則相殺できません。