権利関係

請負・委任とは?違い・注文者の権利・受任者の義務をわかりやすく解説【宅建】

(うけおい・いにん)

請負とは仕事の完成を目的とする契約、委任とは事務の処理を依頼する契約のことです。宅建試験では「請負と委任の区別」「請負の注文者の解除権」「委任の善管注意義務」「委任の終了事由」が出題されます。

請負と委任の比較

比較項目請負(民法第632条)委任(民法第643条)
目的仕事の完成(結果の提供)事務の処理(行為の提供)
報酬仕事完成後に報酬が発生(原則)原則無償・特約があれば有償
完成義務あり(仕事を完成させる義務)なし(善管注意義務で事務を処理)
注文者・委任者の解除いつでも損害賠償して解除可(民法第641条)いつでも解除可(損害賠償は場合による)
請負人・受任者の解除原則できないやむを得ない事由があれば可
代表例建設工事・製造・システム開発弁護士への依頼・宅建士への媒介委任

根拠:民法第632条〜第696条

請負の重要ルール

注文者の任意解除権(民法第641条):注文者は仕事完成前であればいつでも、請負人が損失を受けた分を賠償して解除できます。

注文者の指図による瑕疵:注文者の指図によって生じた仕事の不具合については、請負人は担保責任を負いません(民法第636条)。

建物建築の請負と所有権:注文者が材料の全部を提供した場合は完成時から注文者の所有になります。請負人が材料を提供した場合は引渡し時に移転(判例)。

委任の重要ルール

善管注意義務(民法第644条):受任者は委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負います。

委任の終了事由(民法第651条〜第655条):①委任者・受任者の死亡②委任者・受任者の破産③受任者の後見開始、のいずれかで委任は終了します。

委任の解除(民法第651条):委任者・受任者ともにいつでも解除できます。ただし、相手方に不利な時期に解除した場合は損害を賠償しなければなりません(やむを得ない事由がある場合を除く)。

重要:委任者・受任者の死亡で委任は終了します。「委任者が死亡しても委任は継続する」は誤りです。

試験ポイント

  • 1請負は「仕事の完成」・委任は「事務の処理」が目的。建物の建設工事は請負・宅建士への媒介は委任です。
  • 2委任は原則無償。「委任は常に有償」は誤りです。
  • 3請負の注文者はいつでも損害賠償して解除可能。仕事完成前であれば解除できます。
  • 4委任は委任者・受任者の死亡で終了。法定相続人に引き継がれません。

練習問題

問題

請負・委任に関する記述のうち、正しいものはどれか。

  • ア.委任は仕事の完成を目的とする契約である
  • イ.委任は原則として有償である
  • ウ.請負の注文者は、仕事が完成する前であればいつでも損害を賠償して解除できる
  • エ.受任者が死亡しても委任契約は継続する
正解:ウ
請負の注文者は仕事完成前であればいつでも、請負人の損失を賠償して解除できます(民法第641条)。アは誤り(仕事の完成は請負の目的。委任は事務の処理)。イは誤り(委任は原則無償)。エは誤り(受任者の死亡は委任の終了事由です・民法第653条)。

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よくある質問

Q請負と委任の最大の違いは何ですか?

請負は仕事の完成が目的で結果に対して報酬が発生します。委任は事務の処理が目的で必ずしも結果を保証しません(民法第632条・第643条)。

Q請負の注文者はいつでも解除できますか?

はい。仕事完成前であればいつでも損害を賠償して解除できます(民法第641条)。

Q委任は無償が原則ですか?

はい。原則として無償ですが、特約があれば有償になります(民法第648条)。