実践演習・権利関係(意思表示・制限行為能力)|Aは不動産業者Bから「この土地は近く新幹線の駅が設置される予定で価値が上…
Aは不動産業者Bから「この土地は近く新幹線の駅が設置される予定で価値が上がる」という説明を聞き、甲土地を3000万円で購入した。しかし実際には新幹線の駅設置計画は存在せず、Bはこれを知りながら虚偽の説明をしていた。Aはこの事実を購入から1年後に知った。AはBに対して契約を取り消すとともに、支払い済みの代金の返還と損害賠償を請求したいと考えている。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
問題一覧 · 実践演習一覧 · 意思表示・制限行為能力まとめ · 権利関係 · 用語解説
この記事の信頼性について
| 執筆者 | 宅建マスター編集部 |
|---|---|
| 更新日 | 2026年5月19日 |
| 主な参照元 | 不動産適正取引推進機構(RETIO)、国土交通省 |
試験の日程・合格基準・法令改正は必ず公式情報でご確認ください。
問題
Aは不動産業者Bから「この土地は近く新幹線の駅が設置される予定で価値が上がる」という説明を聞き、甲土地を3000万円で購入した。しかし実際には新幹線の駅設置計画は存在せず、Bはこれを知りながら虚偽の説明をしていた。Aはこの事実を購入から1年後に知った。AはBに対して契約を取り消すとともに、支払い済みの代金の返還と損害賠償を請求したいと考えている。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
選択肢
- (1) 詐欺取消しと損害賠償請求は両立できないため、どちらか一方を選択しなければならない
- (2) 詐欺を理由とする取消しと不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求は同時に主張できる。取消しにより支払い済みの代金はBに不当利得として返還請求でき、さらに取消しで回復しきれない損害(相当因果関係のある損害)は別途損害賠償で請求できる
- (3) 取消権の行使期間は詐欺を知ってから1年以内
- (4) 損害賠償請求には裁判が必要
正答
正答は (1) です。
解説
詐欺による取消し(民法96条)と不法行為に基づく損害賠償(民法709条)は同時に主張できます(請求権競合)。取消しにより契約は遡及的に無効となり、AはBに支払い済みの代金3000万円を不当利得として返還請求できます(民法703条)。さらに詐欺によって被った損害(代金と土地の実際の価値との差額等)は不法行為に基づく損害賠償で請求できます。詐欺取消権の消滅時効は詐欺を知った時から5年・行為時から20年です(民法126条)。
図解つきの詳しい解説はアプリの実践演習で表示できます。