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宅地建物取引士試験 実践演習 第926問(権利関係)
AはBとの間で商品売買契約を締結し、BはAに100万円を支払った。しかしAは商品をBに引き渡さないまま1年が経過した。Bは催告もせずにいたが、2年後にAに対して商品の引渡しを求め、引渡しができないなら損害賠償を請求した。Aは「消滅時効が完成している」と主張している。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
問題
AはBとの間で商品売買契約を締結し、BはAに100万円を支払った。しかしAは商品をBに引き渡さないまま1年が経過した。Bは催告もせずにいたが、2年後にAに対して商品の引渡しを求め、引渡しができないなら損害賠償を請求した。Aは「消滅時効が完成している」と主張している。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
選択肢
- (1) 商品引渡し債権の消滅時効は1年であり、すでに時効は完成している
- (2) 商品引渡し債権の消滅時効期間は権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)または権利を行使できる時から10年(同条1項2号)の短い方。2年経過はまだ5年以内であり、時効は完成していない
- (3) Bが催告しなかったことは信義則上問題となり請求できない
- (4) Bは催告後6か月以内に提訴しなければ時効が完成する
正答
正答は (2) です。
解説
消滅時効:知った時から5年または行使可能時から10年
正解の理由
一般の債権の消滅時効は「権利行使できると知った時から5年」または「権利行使できる時から10年」のいずれか早い方で完成します(民法166条1項)。時効は援用して初めて効力が発生します(民法145条)。
(2) 商品引渡し債権の消滅時効期間は権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)または権利を行使できる時から10年(同条1項2号)の短い方。2年経過はまだ5年以内であり、時効は完成していない
他の選択肢
(1) 商品引渡し債権の消滅時効は1年であり、すでに時効は完成している
2020年改正後、民法上の売買に関する特別の短期消滅時効(1年・2年)は廃止されています。一般原則の5年または10年が適用されます(民法166条1項)。
(3) Bが催告しなかったことは信義則上問題となり請求できない
この肢は「Bが催告しなかったことは信義則上問題となり請求できない」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(2)「商品引渡し債権の消滅時効期間は権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号)または権利を行使で…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「Bが催告しなかったことは信義則上問題となり請求できない」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。(4) Bは催告後6か月以内に提訴しなければ時効が完成する
催告から6か月以内に訴訟等をしなければ完成猶予の効力が消滅しますが、本件では時効がまだ完成していない(2年経過のみ)ため、この前提が成立していません。
学習のヒント
2020年改正後の消滅時効は「権利行使できると知った時から5年」または「権利行使できる時から10年」の短い方が適用されます(民法166条1項)。売買における引渡し債権は契約締結時から権利行使でき、かつ権利者は権利の存在を知っているため、5年で消滅します。
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