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宅地建物取引士試験 実践演習 第938問(権利関係)
Aは自己所有の甲土地をBに売却した。AからBへの所有権移転登記がまだ完了していない段階で、BはCに甲土地を転売し、CはBに代金を支払いBからCへの所有権移転登記も完了した。AはBへの代金未払いを理由にAB間の売買契約を解除した。解除後にCに対して甲土地の返還を求めた場合に関する記述として民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。
問題
Aは自己所有の甲土地をBに売却した。AからBへの所有権移転登記がまだ完了していない段階で、BはCに甲土地を転売し、CはBに代金を支払いBからCへの所有権移転登記も完了した。AはBへの代金未払いを理由にAB間の売買契約を解除した。解除後にCに対して甲土地の返還を求めた場合に関する記述として民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。
選択肢
- (1) AはBとの契約を解除したため所有権を回復し、登記なしにCに返還を求めることができる
- (2) 契約解除前に登場したCが登記を備えていれば、AはCに解除による所有権回復を対抗できない(解除前の第三者との対抗関係)
- (3) Cは転売を受けているため、AはCへの返還請求はできない
- (4) AはBに損害賠償を求めることしかできない
正答
正答は (2) です。
解説
物権変動:登記が対抗要件・不法占拠者には登記不要
正解の理由
不動産の物権変動は登記が第三者への対抗要件です(民法177条)。不法占拠者には登記なく対抗できます。相続の法定相続分超過部分は登記が必要です(民法899条の2)。
(2) 契約解除前に登場したCが登記を備えていれば、AはCに解除による所有権回復を対抗できない(解除前の第三者との対抗関係)
他の選択肢
(1) AはBとの契約を解除したため所有権を回復し、登記なしにCに返還を求めることができる
解除前にCが登記を備えた場合、AはCに対して解除の効果を対抗できません(民法545条1項ただし書・判例)。解除で当然に所有権が回復してCに返還を求められるわけではありません。
(3) Cは転売を受けているため、AはCへの返還請求はできない
この肢は「Cは転売を受けているため、AはCへの返還請求はできない」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(2)「契約解除前に登場したCが登記を備えていれば、AはCに解除による所有権回復を対抗できない(解除前の第三者との対抗…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「Cは転売を受けているため、AはCへの返還請求はできない」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。(4) AはBに損害賠償を求めることしかできない
AはBへの損害賠償以外にも、Cが登記を備えていない場合は所有権回復を主張できます。また解除前の第三者でも登記がなければAが勝てる場合があります。
学習のヒント
契約解除と第三者の保護については、解除前に登場した第三者は民法545条1項ただし書で保護されます。判例は解除後の第三者との関係は対抗問題として処理し、先に登記を備えた者が勝つとしています。
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