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実践演習 · 権利関係

宅地建物取引士試験 実践演習 第841問(権利関係)

AはBに対して甲土地を売却する契約を締結した。甲土地の登記名義はまだAのままである。AはDに対しても同じ甲土地を売却する二重売買をしてしまった。BはAから引渡しは受けたが登記をまだ備えていない。DはBよりも後に契約をしたが、DはBが既に買い受けていることを知っていた。この場合に関する記述として民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

問題

AはBに対して甲土地を売却する契約を締結した。甲土地の登記名義はまだAのままである。AはDに対しても同じ甲土地を売却する二重売買をしてしまった。BはAから引渡しは受けたが登記をまだ備えていない。DはBよりも後に契約をしたが、DはBが既に買い受けていることを知っていた。この場合に関する記述として民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

選択肢

  1. (1) 登記を備えていないBはDに対して所有権を主張できない
  2. (2) DがBの権利を知っていた(悪意)だけでなく、BのAに対する登記請求を妨害する目的でAに圧力をかけてAD間の売買をしたような場合は、DはBへの対抗力がない背信的悪意者とみなされ、BはDに対して登記なくして所有権を対抗できる
  3. (3) 悪意者(Dがすでに買い受けていることを知っていた)は常にBに登記なしに対抗できる
  4. (4) BがAから引渡しを受けているため所有権はBにある

正答

正答は (2) です。

解説

物権変動:登記が対抗要件・不法占拠者には登記不要

正解の理由

不動産の物権変動は登記が第三者への対抗要件です(民法177条)。不法占拠者には登記なく対抗できます。相続の法定相続分超過部分は登記が必要です(民法899条の2)。

(2) DがBの権利を知っていた(悪意)だけでなく、BのAに対する登記請求を妨害する目的でAに圧力をかけてAD間の売買をしたような場合は、DはBへの対抗力がない背信的悪意者とみなされ、BはDに対して登記なくして所有権を対抗できる

他の選択肢

  • (1) 登記を備えていないBはDに対して所有権を主張できない

    この肢は「登記を備えていないBはDに対して所有権を主張できない」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(2)「DがBの権利を知っていた(悪意)だけでなく、BのAに対する登記請求を妨害する目的でAに圧力をかけてAD間の売買…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「登記を備えていないBはDに対して所有権を主張できない」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

  • (3) 悪意者(Dがすでに買い受けていることを知っていた)は常にBに登記なしに対抗できる

    この肢は「悪意者(Dがすでに買い受けていることを知っていた)は常にBに登記なしに対抗できる」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(2)「DがBの権利を知っていた(悪意)だけでなく、BのAに対する登記請求を妨害する目的でAに圧力をかけてAD間の売買…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「悪意者(Dがすでに買い受けていることを知っていた)は常にBに登記なしに対抗できる」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

  • (4) BがAから引渡しを受けているため所有権はBにある

    不動産の対抗要件は引渡しではなく登記です(民法177条)。引渡しを受けていても登記がなければ第三者への対抗は困難です(背信的悪意者の場合を除く)。

学習のヒント

背信的悪意者とは単に先買人の存在を知っているだけでなく、信義則に反する積極的な行為(登記妨害・不当な圧力等)をした者です(判例)。このような者に対しては登記なしで対抗できます。

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