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実践演習 · 権利関係

宅地建物取引士試験 実践演習 第898問(権利関係)

AはBに対して売買代金500万円の債権を持っている。Bはこの債権の存在を知っているが、「時効が完成した」と主張して支払いを拒んでいる。Aが調べると確かに消滅時効期間が経過していた。その後、BはAに対して「わかった。分割で支払う」と言って、第1回分として50万円を振り込んだ。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。

問題

AはBに対して売買代金500万円の債権を持っている。Bはこの債権の存在を知っているが、「時効が完成した」と主張して支払いを拒んでいる。Aが調べると確かに消滅時効期間が経過していた。その後、BはAに対して「わかった。分割で支払う」と言って、第1回分として50万円を振り込んだ。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。

選択肢

  1. (1) 時効完成後にBが一部弁済をしても、時効援用の効力は消滅しない
  2. (2) 時効完成後にBが債務の存在を前提とした行動(一部弁済・支払いの約束)をした場合、信義則上Bはその後の時効援用が許されないとするのが判例の立場(時効完成後の承認)
  3. (3) 時効が完成した以上、BはAへの支払いを拒否できる権利が確定的に生じている
  4. (4) 50万円の受領はAが時効の恩恵を放棄したことになる

正答

正答は (2) です。

解説

消滅時効:知った時から5年または行使可能時から10年

正解の理由

一般の債権の消滅時効は「権利行使できると知った時から5年」または「権利行使できる時から10年」のいずれか早い方で完成します(民法166条1項)。時効は援用して初めて効力が発生します(民法145条)。

(2) 時効完成後にBが債務の存在を前提とした行動(一部弁済・支払いの約束)をした場合、信義則上Bはその後の時効援用が許されないとするのが判例の立場(時効完成後の承認)

他の選択肢

  • (1) 時効完成後にBが一部弁済をしても、時効援用の効力は消滅しない

    この肢は「時効完成後にBが一部弁済をしても、時効援用の効力は消滅しない」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(2)「時効完成後にBが債務の存在を前提とした行動(一部弁済・支払いの約束)をした場合、信義則上Bはその後の時効援用が…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「時効完成後にBが一部弁済をしても、時効援用の効力は消滅しない」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

  • (3) 時効が完成した以上、BはAへの支払いを拒否できる権利が確定的に生じている

    時効の援用権は確定的な権利ですが、行使後に承認等をすれば信義則上援用が制限されます(判例)。一度援用しても後に承認すると信義則で制限される場合があります。

  • (4) 50万円の受領はAが時効の恩恵を放棄したことになる

    この肢は「50万円の受領はAが時効の恩恵を放棄したことになる」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(2)「時効完成後にBが債務の存在を前提とした行動(一部弁済・支払いの約束)をした場合、信義則上Bはその後の時効援用が…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「50万円の受領はAが時効の恩恵を放棄したことになる」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

学習のヒント

時効完成後に債務者が債務の存在を前提とした行為(一部弁済・支払約束等)をした場合、信義則上その後の時効援用は許されません(判例)。時効の完成を知っていたかどうかは関係なく、相手方の信頼を保護するためです。

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