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実践演習 · 権利関係

宅地建物取引士試験 実践演習 第950問(権利関係)

AはBに対して売買代金500万円の債権を有していたが、Aが長年に亘り請求を怠っていたためBは「時効が完成した」と言い消滅時効を援用した。AはBの時効援用は権利の濫用だと主張している。その後、Bはこの状況を知ったうえで弁護士Cに「Aへの500万円の支払義務は存在しない」と相談した。Cが「援用により時効は完成しており、支払義務はない」とBに助言した。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。

問題

AはBに対して売買代金500万円の債権を有していたが、Aが長年に亘り請求を怠っていたためBは「時効が完成した」と言い消滅時効を援用した。AはBの時効援用は権利の濫用だと主張している。その後、Bはこの状況を知ったうえで弁護士Cに「Aへの500万円の支払義務は存在しない」と相談した。Cが「援用により時効は完成しており、支払義務はない」とBに助言した。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。

選択肢

  1. (1) 時効援用は正当な権利行使であるため、原則として権利濫用とはならない
  2. (2) Bの時効援用が信義則に反すると認められる場合は権利濫用として援用が制限される
  3. (3) 一度時効が完成した場合は、いかなる事情があっても時効援用の制限はできない
  4. (4) CがBに「支払義務はない」と助言したことはCの不法行為になる

正答

正答は (1) です。

解説

消滅時効:知った時から5年または行使可能時から10年

正解の理由

一般の債権の消滅時効は「権利行使できると知った時から5年」または「権利行使できる時から10年」のいずれか早い方で完成します(民法166条1項)。時効は援用して初めて効力が発生します(民法145条)。

(1) 時効援用は正当な権利行使であるため、原則として権利濫用とはならない

他の選択肢

  • (2) Bの時効援用が信義則に反すると認められる場合は権利濫用として援用が制限される

    これは正しいですが、「例外的に」制限される場合があるということです。原則は援用が正当な権利行使であり、設問1の「原則として権利濫用とはならない」が正解です。

  • (3) 一度時効が完成した場合は、いかなる事情があっても時効援用の制限はできない

    この肢は「一度時効が完成した場合は、いかなる事情があっても時効援用の制限はできない」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(1)「時効援用は正当な権利行使であるため、原則として権利濫用とはならない」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「一度時効が完成した場合は、いかなる事情があっても時効援用の制限はできない」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

  • (4) CがBに「支払義務はない」と助言したことはCの不法行為になる

    この肢は「CがBに「支払義務はない」と助言したことはCの不法行為になる」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(1)「時効援用は正当な権利行使であるため、原則として権利濫用とはならない」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「CがBに「支払義務はない」と助言したことはCの不法行為になる」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

学習のヒント

時効の援用は正当な権利行使であり、原則として権利の濫用にはなりません(判例)。ただし信義則に著しく反する特別な事情がある場合(援用権者が時効完成を阻止できたのに積極的に妨害した等)は例外的に権利濫用とされることがあります(判例)。

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