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実践演習 · 権利関係

宅地建物取引士試験 実践演習 第951問(権利関係)

AはBとの間で甲マンション(分譲・2500万円)の売買契約を締結し、手付金250万円を支払った。Aは住宅ローンの審査が通らず残代金が用意できないため、Bに対して「ローンが通らなかった。手付金を返してほしい」と申し出た。売買契約書には「ローン特約」(融資が承認されない場合は白紙解除できる旨)は記載されていなかった。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。

問題

AはBとの間で甲マンション(分譲・2500万円)の売買契約を締結し、手付金250万円を支払った。Aは住宅ローンの審査が通らず残代金が用意できないため、Bに対して「ローンが通らなかった。手付金を返してほしい」と申し出た。売買契約書には「ローン特約」(融資が承認されない場合は白紙解除できる旨)は記載されていなかった。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。

選択肢

  1. (1) ローン特約がない場合でも、Aは買主として一方的に手付金の返還を求めることができる
  2. (2) ローン特約がなければ、Aの資金調達ができないことは買主Aの責任となり、Bに対して手付金返還を請求することなく契約の解除を申し出るには手付放棄による解除(手付金250万円を放棄)が必要
  3. (3) BはAの債務不履行(残代金不払い)を理由に契約を解除し損害賠償を請求できる
  4. (4) Aはローンが通らなかったことを理由に契約を当然に解除できる

正答

正答は (2) です。

解説

意思表示の瑕疵:詐欺・強迫・錯誤・通謀虚偽表示

正解の理由

意思表示の瑕疵には詐欺(取消し・善意無過失の第三者は保護)・強迫(取消し・全第三者に対抗可)・錯誤(取消し・善意無過失の第三者は保護)・通謀虚偽表示(無効・善意の第三者は保護)があります。

(2) ローン特約がなければ、Aの資金調達ができないことは買主Aの責任となり、Bに対して手付金返還を請求することなく契約の解除を申し出るには手付放棄による解除(手付金250万円を放棄)が必要

他の選択肢

  • (1) ローン特約がない場合でも、Aは買主として一方的に手付金の返還を求めることができる

    ローン特約がなければAの資金調達不能は買主の責任であり、手付金の返還を一方的に求めることはできません。手付放棄による解除か履行の提供が必要です。

  • (3) BはAの債務不履行(残代金不払い)を理由に契約を解除し損害賠償を請求できる

    売主Bは債務不履行を理由に解除・損害賠償請求が可能ですが、設問では「Aが解除したい」という状況です。また、Bの解除には相当期間を定めた催告が原則必要です(民法541条)。

  • (4) Aはローンが通らなかったことを理由に契約を当然に解除できる

    この肢は「Aはローンが通らなかったことを理由に契約を当然に解除できる」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。

    正答(2)「ローン特約がなければ、Aの資金調達ができないことは買主Aの責任となり、Bに対して手付金返還を請求することなく契…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。

    正答の論点と照らすと、この肢は「Aはローンが通らなかったことを理由に契約を当然に解除できる」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。

学習のヒント

ローン特約がない場合、資金調達できないことは買主の責任です。手付解除は「手付放棄(買主)」または「手付倍返し(売主)」によります(民法557条)。ローン特約があれば白紙解除できますが、ない場合は手付解除のみとなります。

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