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宅地建物取引士試験 実践演習 第998問(権利関係)
AはBに対して売買代金300万円の債権(弁済期:2022年1月1日)を有している。Bは弁済期に支払いをしなかったため、Aは2022年4月1日にBに対して催告(書面)を行った。その後、Aは2023年3月1日に訴訟を提起した。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
問題
AはBに対して売買代金300万円の債権(弁済期:2022年1月1日)を有している。Bは弁済期に支払いをしなかったため、Aは2022年4月1日にBに対して催告(書面)を行った。その後、Aは2023年3月1日に訴訟を提起した。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
選択肢
- (1) 催告(書面)により時効が更新されるため、2022年4月1日から新たに5年の時効が進行する
- (2) 催告は時効を更新するのではなく、時効の完成を6か月猶予するにすぎない。催告から6か月以内に裁判上の請求等を行わなければ時効の完成猶予の効力が消滅する。Aが2022年4月1日に催告し、6か月後(2022年10月1日)までに提訴等をしなければ猶予効力は消滅する。2023年3月1日の提訴はこの6か月を超えているため催告の効力が消滅している可能性がある
- (3) 催告は効力がなく時効に関係しない
- (4) 売買代金の時効は10年である
正答
正答は (2) です。
解説
消滅時効:知った時から5年または行使可能時から10年
正解の理由
一般の債権の消滅時効は「権利行使できると知った時から5年」または「権利行使できる時から10年」のいずれか早い方で完成します(民法166条1項)。時効は援用して初めて効力が発生します(民法145条)。
(2) 催告は時効を更新するのではなく、時効の完成を6か月猶予するにすぎない。催告から6か月以内に裁判上の請求等を行わなければ時効の完成猶予の効力が消滅する。Aが2022年4月1日に催告し、6か月後(2022年10月1日)までに提訴等をしなければ猶予効力は消滅する。2023年3月1日の提訴はこの6か月を超えているため催告の効力が消滅している可能性がある
他の選択肢
(1) 催告(書面)により時効が更新されるため、2022年4月1日から新たに5年の時効が進行する
この肢は「催告(書面)により時効が更新されるため、2022年4月1日から新たに5年の時効が進行する」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(2)「催告は時効を更新するのではなく、時効の完成を6か月猶予するにすぎない。催告から6か月以内に裁判上の請求等を行わ…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「催告(書面)により時効が更新されるため、2022年4月1日から新たに5年の時効…」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。(3) 催告は効力がなく時効に関係しない
この肢は「催告は効力がなく時効に関係しない」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(2)「催告は時効を更新するのではなく、時効の完成を6か月猶予するにすぎない。催告から6か月以内に裁判上の請求等を行わ…」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「催告は効力がなく時効に関係しない」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。(4) 売買代金の時効は10年である
2020年改正後、売買代金債権の消滅時効は「権利行使できると知った時から5年」です(民法166条1項1号)。10年は客観的起算点からの期間です(同条1項2号)。
学習のヒント
催告(民法150条)は時効の完成を6か月間猶予しますが、更新はしません。催告から6か月以内に裁判上の請求等をしなければ猶予の効力が消滅します。設問では催告(2022年4月1日)から6か月後(2022年10月1日)までに提訴等が必要ですが、2023年3月1日の提訴はこれを超えています。
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