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宅地建物取引士試験 実践演習 第10919問(権利関係)
Aは不動産業者Bから「この土地は近く新幹線の駅が設置される予定で価値が上がる」という説明を聞き、甲土地を3000万円で購入した。しかし実際には新幹線の駅設置計画は存在せず、Bはこれを知りながら虚偽の説明をしていた。Aはこの事実を購入から1年後に知った。AはBに対して契約を取り消すとともに、支払い済みの代金の返還と損害賠償を請求したいと考えている。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
問題
Aは不動産業者Bから「この土地は近く新幹線の駅が設置される予定で価値が上がる」という説明を聞き、甲土地を3000万円で購入した。しかし実際には新幹線の駅設置計画は存在せず、Bはこれを知りながら虚偽の説明をしていた。Aはこの事実を購入から1年後に知った。AはBに対して契約を取り消すとともに、支払い済みの代金の返還と損害賠償を請求したいと考えている。この場合に関する記述として民法の規定によれば正しいものはどれか。
選択肢
- (1) 詐欺取消しと損害賠償請求は両立できないため、どちらか一方を選択しなければならない
- (2) 詐欺を理由とする取消しと不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求は同時に主張できる。取消しにより支払い済みの代金はBに不当利得として返還請求でき、さらに取消しで回復しきれない損害(相当因果関係のある損害)は別途損害賠償で請求できる
- (3) 取消権の行使期間は詐欺を知ってから1年以内
- (4) 損害賠償請求には裁判が必要
正答
正答は (1) です。
解説
正解の理由
詐欺による取消し(民法96条)と不法行為に基づく損害賠償(民法709条)は同時に主張できます(請求権競合)。取消しにより契約は遡及的に無効となり、AはBに支払い済みの代金3000万円を不当利得として返還請求できます(民法703条)。さらに詐欺によって被った損害(代金と土地の実際の価値との差額等)は不法行為に基づく損害賠償で請求できます。詐欺取消権の消滅時効は詐欺を知った時から5年・行為時から20年です(民法126条)。
(1) 詐欺取消しと損害賠償請求は両立できないため、どちらか一方を選択しなければならない
他の選択肢
(2) 詐欺を理由とする取消しと不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求は同時に主張できる。取消しにより支払い済みの代金はBに不当利得として返還請求でき、さらに取消しで回復しきれない損害(相当因果関係のある損害)は別途損害賠償で請求できる
この肢は「詐欺を理由とする取消しと不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求は同時に主張できる。取消しにより支払い済みの代金はBに不当利得として返還請求でき、さらに取消しで回復しきれない損害(相当因果関係のある損害)は別途損害賠償で請求できる」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(1)「詐欺取消しと損害賠償請求は両立できないため、どちらか一方を選択しなければならない」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「詐欺を理由とする取消しと不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求は同時に主…」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。(3) 取消権の行使期間は詐欺を知ってから1年以内
この肢は「取消権の行使期間は詐欺を知ってから1年以内」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(1)「詐欺取消しと損害賠償請求は両立できないため、どちらか一方を選択しなければならない」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「取消権の行使期間は詐欺を知ってから1年以内」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。(4) 損害賠償請求には裁判が必要
この肢は「損害賠償請求には裁判が必要」と述べていますが、権利関係の基準では正しい記述ではありません。
正答(1)「詐欺取消しと損害賠償請求は両立できないため、どちらか一方を選択しなければならない」は、制度・手続・学習法のいずれかの観点で適切な内容です。
正答の論点と照らすと、この肢は「損害賠償請求には裁判が必要」という断定のどこかが設問の前提と矛盾します。主語・客体・数字・期限・「毎年/常に/不要」などの限定語をチェックしてください。
学習のヒント
この問題で間違えた場合は、設問文の求め方(「正しいもの」「誤っているもの」「最も適切でないもの」)を最初に線引きしてください。正答・誤答それぞれについて、用語の定義と制度の前提を用語解説で確認し、復習リストや実践演習・一問一答と組み合わせて、同分野の過去問を解き直すと定着しやすくなります。
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